西河技術経営塾・上級コース検討研究会

2014.10.19 上級コース検討研究会(第2回)

<議事録> (588KB)

西河技術経営塾の講師で財団の研究員でもある柴田智宏から学習講座の概要報告があり、参加委員との意見交換を行った。

西河技術経営塾の独自性は何か

鈴木潤政策研究大学院大学教授:西河技術経営塾の独自性をどう考えているか。MOTを経験されているので伺いたい。

柴田:MOTに行ったのは、半導体メーカーのIPOをすると言うので、米系の方はMBAを学んでいるので、私も学びたいと思い芝浦のMOTに入った。芝浦のMOTには、良いところと悪いところがある。知識は体系を学べたが、経験は自分のほうが上であると思えた。従って、自分自身で学んで体系化しなければならないと思った。中小企業の経営者は経営の経験は少ない。塾では、まず経営者には色々な人がいることが学べる。塾での演習では、経営経験者と意見交換する中でそれが可能になる。

柴田智宏研究員

「塾生、特徴ある技術を持っていたが、経営に反映するという意味では、
技術を生かす戦略の作り方などの知識は持っていなかった」と西河技術
経営塾に関し報告をする柴田智宏研究員(左)、隣は杉本晴重理事(右)。

経営でなくて、技術経営としている、技術を使ってどう競争優位をつくるのかを教える

鈴木:中小企業の経営者は、経営の話を知らなければならない事は分かるが、そこで技術経営の付加価値を付ける意味合い、技術を使ってどうやって競争優位をつくることに取り組んでいるかが分からないので、説明して欲しい。

柴田:多くの場合、中小企業には優れた技術がある。しかし、技術を生かす技術は出来ない。今回の塾生も特徴ある技術を持っていたが、経営に反映するという意味では、技術を生かす戦略の作り方などの知識は持っていなかった。持っている技術を生かしながら経営をすることが重要になっている。当塾は、芝浦のMOTよりも学び易いと思っている。

塾はコンサル的な対応と座学的なスクール形式

加納:西河技術経営塾は、既存のものと何が違うのか。
マスプロダクションでは、スクール形式で200名が一つの講義室で学ぶ。一方、一番家庭教師的なのは、中小企業の経営者にコンサルがついて、一緒にプランニングしてあげるがある。それの間にあるのか。ベースになる知識をいかに得るのか。自分のビジネスをいかにプランニングするかにある。西河技術経営塾は、どこかを潜在的受講者に訴えて行くかが重要である。

鈴木:西河理事長が、どのように考えているかを聞きたい。 

小平:ご指摘の通りである。西河理事長1期生を送り出した時の感想として「西河技術経営塾に取り組んで良かった」と言ってくれた。現状の32回、1回2コマ(3時間)は、時間的に最小の時間。塾の特徴については、開発工学会の「技術経営(MOT)教育のこれまでとこれから」と題する特集に『経営実践力を育成する西河技術経営塾・基礎コースの紹介』4頁にまとめて投稿をした。今回の塾生は、中小企業の経営を10年以上やってきている経営者が大半を占める。だから「経営の基礎」は教える必要は無いと思っている。そこで「経営学」を教えながら、塾生のニーズは、「この先どう社会の変革に対応する経営をするか」にあるとみている。

加納:それはスクールでは無くてコンサルである。

小平:そうですね。経営学を教えていたら時間が足らない。

加納:確かに経営者は、経営学を学びに来ているわけではない。

塾生の個別経営課題に塾生皆で取り組み、意見交換をする

小平:加納先生が指摘しているようにコンサルは個別的なソリューションを提供しなければならない。塾では「事例に対する悩みは皆で考えよう」としている。基本的に講師は発言を控えて塾生が行う。講師と塾生が1対1で対応し始めてしまうと、塾生のビジネスにのめり込んでしまい、時間的にも量的にも対応が難しくなる。演習では個別性のあるテーマを塾生相互間で意見交換する。どのような言葉で表現したらよいかは、加納先生の指摘のように課題である。

柴田:塾は、コンサルとも違う。ビジネススクールとも違う。短期的なセミナーとも違う。

加納:皮膚感覚では分かるが、それを「潜在的に塾に来ようとしている人に伝えられていない」との疑問を持っている。さらには、西河技術経営塾は、5名以上いたら無理ではないか。多くてもせいぜい10名というところではないか。

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上級コース検討研究会(第2回)

加納信吾東京大学大学院准教授(左から2番目)は「西河技術
経営塾は、既存のものと何が違うのか」と問う。
杉本(左)、鈴木(左から3番目)、大橋、淺野、前田(右)

基礎コースにおいて、来てほしい学生さんのプロファイリングが不足

前田:座学で30程のテーマがあって、演習があってテーマの設定はどのようにしているのか。

大橋:演習は個々の座学のテーマに対応して、後日取り組んでいる。

前田:毎週やる中で、演習の課題は塾生が抱えている課題に取り組むのか。

大橋:演習での課題は、取り組みたい事業の構想に対して行う。

小平:2年目に入り、加納先生から指摘の課題を問題意識として取り組んでいきたい。経営者にとっての教育は、現状の基礎コースで充分であると考えている。

経営者は全部を管理できないといけない

小平:経営者は全部見ていないと、管理するところに立たない。西河技術経営塾・基礎コースでは広く、浅く、経営要素を連携させながら学ぶことになる。(図1参照)

図1

図1 西河技術経営塾 基礎コースは広く、浅く学ぶ

西河技術経営塾は原則としてベンチャー起業家と中小企業の経営者を対象としたい

小平:ここの塾では、大企業向けの人財育成は対象外としたい。ベンチャーの創業支援(起業家)と中小企業の経営者向けである。

鈴木:創業支援とは、具体的にどういうことか。

小平:一期生は2名とも創業支援であった。

大橋:何も知らない学生に教えても仕方がない。経営のことが通じない。

加納:それはMBAの議論とも共通していて、少なくても3年の職業経験といっているのはその点である。

小平:シリコンバレーのエンジェル投資家の平顧問は、日本にはメンターがいないという。しかし、大学を出て起業した人は、経営が分からないと言っても、メンターはうるさいと思う。シリコンバレーでは、お金も指導も受け入れる。

加納:シリコンバレーでは、経営者を待機させていて、いいシーズがきたら「CTOをやれ、CEOを俺たち見つけて来てやる」という。何も無く、VCは金を出さない。素人の学生出にマネージをさせることはない。ザッカーバーグでも周りにアドバイザーが張り付いている。一回、社会でもまれたほうが良い。西河技術経営塾の特徴は5名程度の塾である。40名のスクールとは違う。

経営学を意識した経営をすることを学習する

小平:当塾は、受講料を取らなくてもいいのだが。無料だと、沢山の塾申込み者が来てしまう。2期生は新しいセグメンテーションであると言える。ほとんどの方が10年近く「経営学」を意識せずに経営をしてきた。良く考えたら「経営学」を分かっていないことに気付いたという。

加納:「経営学」までは行かずに、経営の実務だと思う。実務のスキルが低い経営者であると思う。

小平:言い方は別として、今まで「経営を経験を通して学んできた」ということだ。

大橋:人をどのように扱ったらよいのか、組織をどう扱うかなどは分からない。

加納:ファンクション別にやるのであれば、中小企業投資育成という半官半民のベンチャーキャピタルである。そこは学校を持っていて、ファンクション別にキャリキュラムうぃ作って取り組んでいる。2世の人とか会社のある人は、そういうところで基礎知識を入れれば良い。

小平:西河技術経営塾のキーワードは、第2創業である。

「会計数値で会社を管理する」を学ぶ

小平:基礎コース、「自社のビジネスモデルを考える」の説明をする。「会社の状態を会計数値で管理する」では、簿記を知らないので社長であっても会社の数値を全く管理しない社長がいる。「任せている」とか、「税理士に任せている」と言って、数値を全く把握していない経営者がいる。「日々の管理や月次決算を見るようにしなさい」と言うが、出来ていない経営者が半分以上いる。

加納:簿記が分からなくても良いと思うが。月次が見れれば、良いと思う。

小平:簿記が分からないと、科目のP/LとBSの区別も分からない。科目が分からなければ、決算書の意味が分からないし、経営上の意味合いを読むことが出来ない。分かっているかをチェックする。

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