一般財団法人アーネスト育成財団

技術経営人財育成と活用に関する研究委員会

2013.08.27 第8回 技術経営人財育成と活用に関する研究委員会

議事録(23KB)

2013年8月27日、第8回目の「技術経営人財育成と活用に関する研究委員会(委員長坂巻資敏)」を財団内会議室にて午後4時から開催した。
委員会では、(1)財団活動報告、(2)前回議事録の確認、(3)教材に関する講演と意見交換などが行われた。
講演では、プロジェクトマネジメントに関連して、小平と坂巻の2名から教材に関する講演があり、活発な意見交換がされた。
(1)第7章『開発管理、生産管理』(担当 小平和一朗)
(2)第7章『研究開発と事業化戦略』(担当 坂巻資敏)

(1)第7章『開発管理、生産管理』(担当 小平和一朗)

プロジェクトの前提条件と制約条件を明示する

プロジェクト提案に当たっては、
・プロジェクトに自社単独で取り組むのか、
・協力会社との共同開発案件なのか、
・技術導入があるのか、
・主要部品や設備などが既に決められている事項があるのか、

情報の共有化を図ることで手戻りを最小化する

プロジェクト開始前に決定している内容は、前提条件や制約条件として整理し、企画提案段階で機関決定をする。
リーダーを取り巻く一部の人達の間で既に決まっている諸条件が、プロジェクト構成員に知らされるためには、書き出すことが必要である。それを機密扱いすると、効率が悪化する。「その条件は書いてありますか?」と常に問うことで、「この業界ではこのようにしている」などの暗黙知がドキュメント化できる。プロジェクト構成員に周知することで、余計な手戻りを少なくできる。

小平写真

開発仕様で規定する時、WANT(無くてもいいがあれば良い)のはずが、MUST(絶対に必要)にしてしまう。
無駄な仕事をしていることになるので問い直しをした方が良」と小平は報告する。

(2)第7章『研究開発と事業化戦略』(担当 坂巻資敏)

「研究」と「開発」は全く違うアウトプットを創る仕事であるが、この違いを明確に理解しないでいわゆる研究開発活動として十把一絡げで研究と開発を管理運営している。ここに企業価値を最大化する成果の上がらない大きな原因がある。

開発テーマは既存事業の新製品の要素技術分野と、新規事業分野に大別される

「研究所の使命」が企業価値の最大化であるならその期待されるアウトプットは明らかにノーベル賞候補になる論文ではなく、売上と利益を増大させる「新しいもの」「生産プロセス」「経営システム」等である。「研究所の使命」に合致する開発テーマをいかに設定するかがポイントになる。
研究所で取組む開発テーマは「既存事業」の近未来の新製品又は魅力的な要素技術分野と、従来自社では全く手掛けて来なかったが将来の成長発展のため、新たに参入する「新規事業」分野に大別される。

坂巻写真

「企業を成長させるためにどのような新しい分野に参入すべきかといった
研究開発の大きな方向性を決定するのは経営者の責任である」と報告する坂巻氏。

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