経営と経済をつなぐ研究

経済的な知識なしに経営することが難しくなっている。いかなる経済情報をみて、経営にどう反映すべきかの研究に取り組む。
経営者が経済動向を捉えることができるための経営と経済をつなぐ知見を整理し、書籍として残す。

経済の知識を学び経営計画
ー研究で得られた知見を講義に活用するー

経営者が経済情報を理解し、経営判断に活かす力を養うことを目的に取り組む。経済学の理論よりも「実践的な経済情報」の活用に重点を置いて研究する。「西河経営哲学」と「技術経営」と「経済学」という三者の融合を目指す。

経済を知らずに経営はできない
最近の経営環境をみると、世界の経済動向を知らずして経営をすることが困難となっている。経営者育成にあたって、いかなる経済学の知識が必要か、その情報を見て経営にどう反映するかの知見の整理に研究会を設置して取り組むことにした。(図1)

主要な課題は
(1)外部環境分析としての考慮すべき経済情報、
(2)中長期経営計画立案で考慮する経済情報、
(3)グローバル経営戦略立案時に整理すべき経済情報等がある。
以上の課題に関連し、入手すべき経済情報を明らかにし、経営にどのような影響を与えているかを整理する。「経営と経済をつなぐ研究」に取り組み、西河技術経営塾の講義資料として活用できるようにする。

図1 経営に必要な経済学の知識

経営環境を左右する経済
経営環境を左右する経済情報を今の段階の情報で小平が図2を作成した。
内部情報としては事業実態、会計情報、中長期経営計画がある。外部情報として、国内で言えばGDP,GNP、産業構造、国民所得、人口動態、景気等である。
海外で言えば為替、物価水準、関税、世界との比較と研究前の情報で整理した。
これからの研究を通じて見直していく。

図2 経営環境を左右する経済情報

経営に役立つ経済学を学ぶ
「経営学」は、企業家のための学問、「経済学」は、政治家のための学問、「経済学の知識」と経営をつなぐ研究に取り組む。
西河は、西河経営哲学を論じている。小平はエンジニアリング・ブランドを核に技術経営学を研究している。下斗米は経済学の研究に従事している。この立場の異なる三者を融合し、経営と経済をつなぐ研究に取り組む。(図3)
技術が絡む技術経営は、財団が取り組む経営者の育成の基本的な理念である。下斗米から経営と経済を情報でつなぐために必要な知見を学ぶ。経営者が学ぶべき経営学の知識を取り込む。
一方、西河経営哲学を経済学の知見で分析、経営する上で必要な経済理論、経営環境を知るための経済学の知識、と三点を挙げた。

図3 新たな技術経営の整理

経営をする上で必要な経済理論
経営をする上で必要な経済理論の整理をなぜするか。その事例に西河が取り組んだ住宅価格の設定がある。価格を選定するにあたっては、経済情報を収集しているからだ。
経営者は、経済動向を把握し、どのように取り入れているかを組み立てたい。経営が真ん中にあって経済情報が外側にある。それはGDP、為替レート、物価水準、人口と所得水準などである。

本研究が目指す目的
経済が関わる経営課題には、中長期をどう捉えるか、市場戦略、グローバルサプライチェーン、海外から物が入ってくる等がある。

本研究が目指すのは、
(1)経営者が経済情報を理解し、経営判断に活かす力を養う。
(2)経済学の理論よりも「実践的な経済情報」の活用におく。
(3)西河経営哲学・技術経営・経済学の融合を目指す。

経営が求める主な経済情報
(1)経営に必要な経営情報として外部環境分析に必要な経済指標。
(2)中長期経営計画やグローバル戦略立案時に活用すべき経済情報。
(3)経営者が学ぶべき「経済情報の分析力」と「未来予測力」 。

経済情報に求める条件
(1)経済学での学びが必ずしも経営に直結しない。
(2)経営者にとって「明日に使える情報」が重要である。
(3)「経済理論」ではなく「経済情報」として整理する。

トランプと国際経済
(1)トランプの政策は世界経済に大きな影響を与えている。
(2)ステーブルコインや量子金融など新たな金融システムへの動向調査。
(3)経済現象を歴史的・構造的に捉える視点。

経営と経済をつなぐ塾での課題
(1)経営における技術の役割、企業文化、ビジネスモデル、商品開発、サービス概念、ICT、海外取引、ブランド戦略など。
(2)実践知を重視し、少人数での対話型教育を展開する。
(3)経済動向を捉えることができる講座の新設の検討。

財団の今後の取り組み
(1)経営と経済をつなぐ知見を講義資料として整理する。
(2)経済史や国際政治の変化を踏まえた情報分析力を高める。
(3)アメリカの現地レポートなどを通じた最新情報を共有する。
(4)「生産性」に関する使い方の整理と分析力を高める。

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