一般財団法人アーネスト育成財団

西河技術経営塾 入門講座(沼田)1期生

報告3 経営を学び、地方創生

-報告書にみる入門講座(沼田)の成果-

地方創生と中小企業の改革は、日本の課題。西河技術経営学を学ぶことで、地方を元気にできる経営者を育成できるとの課題に取り組んだ。修了した若き経営者の自信に満ち溢れた顔をみるとその成果を確認できる。後列左から、千吉良、横坂、中林、島田、石坂の5名が修了生。前列左から司会を担当した小坂哲平、講師の小平和一朗専務理事。他に西河洋一塾長、淺野昌宏理事、杉本晴重理事が講師を担当した。

技術経営人財の育成で成果

「西河技術経営塾入門講座(沼田)」は新型コロナ感染拡大もあり、4月開講を5月23日に延期、会場も高崎から沼田に移して開講した。
『西河「技術経営学」入門』を教材に使い、経営を支えている技術の存在を学ぶことで、未来を見据えた戦略的経営に取り組めると考え取り組んだ講座である。
入門講座は、西河技術経営塾の半分の受講時間。それを補うために予習を司会を担当した小坂哲平(塾5期生)がリーダーとなって取組む。
入門講座を受講することで、技術経営を理解し、会社を変革するという成長軌道に乗せることはできたと評価している。
以下受講生の成果報告書を要約して報告する。

(小平専務理事)

【 中林工業取締役 中林 明緒 】

製品を売るための強みを把握

沼田市を拠点とする、プレハブハウス製造・軽量鉄骨加工を主に行う会社である。受講までは自社の強み、核となる技術を意識したことがなかった。製品を売るための強みを伝えられない。SWOT分析や3C分析で強みを理解。今後の方向性が明確になる。
モノづくり「市場があり、顧客にとっての差別化技術があり、利益を生む仕組みがあり、儲ける意識があることが成功の条件。
市場(顧客)を開拓せず、差別化技術がわからず、利益を生む仕組みがわからず、儲けたくてもどこで儲けられるのかという状態だったことがわかった。
具体的な商品開発から、財務諸表上の数字で自社の経営がどうなっているのか、またこれからどうしなければならないのかを深く考えさせられた。
売上目標達成には、会社一丸で取組まなければならない。社員の負担は大きい。それを乗り切った先には、必ず皆が幸せになる。

「社員に夢を語り、目標に向かって2倍、3倍と何事も取り組みひたすら働く」と語る中林取締役

【 千吉良電気工事社長 千吉良 徳人 】

未来を考えることが楽しくなる

沼田市に会社をおき、電気工事業を公共、民間工事ともに幅広く展開している。
受講する前は、受注した仕事を素早く、丁寧にこなす事くらいしか考えられなかった。
「技術経営とはなにか」「企業文化とアイデンティティ・ビジネスモデルづくりを学ぶ」など多くの事を学ぶ。
実践できていない事が多いが、できる事から取り組んだり考える中で学ばせていただく前と今では意識が変わったと実感している。
当初は先の見えない事への不安ばかりであったが、今は未来を考えることが楽しみへと変わった。
未来を読み切るのは難しい「未来は、自ら描き、自ら創生するものだと考えたい。受け身では後追いになるが、未来を描く先頭にいる限り、常に先手を打てるようになる」と学んだことを忘れてはならない。
講座を受講して学んだことをもとに、未来を描き実績を伸ばすよう日々努めたい。学んだことが、宝物になるよう実践したい。

「毎週行った予習会で、同期塾生から大きな刺激を得た」と千吉良社長。

【 ひかりホーム社長 島田 崇弘 】

エンジニアリング・ブランド構築

利根沼田地域で土地と建物に関するすべての不動産を対象に、いかに有効に活用が出来て、そこに住まう人々が豊かに生活を送れるかを考えモノづくりコトづくりに励んでいる。
受講する以前は、今まで経験してきたことだけが土台になっており、売上を出来るだけ上げて、何とか赤字にならない様にただ必死に動き回るだけであった。本講座で学ばなければ、建売住宅を年間2~3棟程度建築すれば良い位に考えていた。
しかし、技術経営塾で学んだことで、市場で一流メーカーと呼ばれる企業も実は学んだ「エンジニアリング・ブランド」を構築して売上を伸ばして会社を大きくしていたことが分かった。一流メーカーも様々な経験をして製販一貫体制に辿り着き、サプライチェーンを構築して売上、製造管理をしている。
受講して学んだブランドを如何に強靭なものにして伸ばして行くかは、学んだ全てのことを活かしさらに磨きを掛けて、いかように実行していくかに掛かっている。

「利根沼田地区の不動産を活用、そこに住まう人々が豊かになれるよう考える」と島田社長。

【 ケンジョウ社長 横坂 優輔 】

顧客が満足するサービスの提供

弊社は、釣り堀である川場フィッシングプラザ、養殖場の施設と電子部品を製造する工場を持つ。
会社を導くには、会社の明るい未来を創造して、それを社員に語る。求心力を高め、会社を成長させることが重要と学ぶ。
顧客に満足のいくサービスを提供するには、笑顔で帰宅してもらうことだ。また社員が笑顔で迎えることも重要である。
企業の企業力、商品力、技術力という要素の中から、自社の尖った部分を一つ選びエンジニアリング・ブランドの構築に繋がるスローガンを作る。「一生の思い出に残る一日を釣ろう!」
受講した最初、魚一匹の原価を聞かれても答えられない。講義で「経営者は数字を把握しろ」と言われ次第に調べるようになり数字に興味がわいた。
「作業をするのではなく社長業をしろ」と言われ、社員ができる作業は任せ、会社の方向性や方針を示すことだと理解した。

「自由な発想を胸に人に笑顔と感動と安らぎのひと時を提供いたします」と経営理念をつくった横坂社長

【 鞍城建設専務 石坂辰郎 】

強みを理解し成長に繋げる

弊社は、主に注文住宅を請負っている工務店である。
「経営は未来学」を学ぶ。経営は、人、モノ、金を組み立てることが必要であり、どれが欠けても成長しない。その未来を描くために、3年、5年先の計画を作成。
講座で沢山のことを学んだ。経営における技術の重要性、自社・顧客・競合社との繋がり、自社の商品は何なのか、エンジニアリング・ブランドの構築等。中でも自社の強みを学べたことが大きい。
中長期計画を立案した。中長期計画の中に記載されていることを実行し、自社を成長させて行きたい。
会社全体の意識改革に経営者としての道筋を示して、社員一丸となって取り組んでいく。経営者として、会社を絶対成長させていく覚悟を持ち、社員が明るく幸福を得られるよう努める。

「中長期計画を作成し、全社一丸になって達成する」と語る石坂専務取締役

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