一般財団法人アーネスト育成財団

西河技術経営塾 入門講座(沼田)2期生

報告3 地方を元気にする経営者の育成

第2期 西河技術経営塾入門講座沼田塾が修了
= 主催:アーネスト育成財団、協賛:小坂建設(株)、後援:沼田市 =

前列右から小坂講師、小平講師、後列右から水出、村上、前田、土谷、鳥山、六本木。

「西河技術経営塾入門講座(沼田塾)」は2021年3月27日(土)に開講し、8月7日(土)に6名が修了した。修了生に「沼田塾で何を学んだか」とのテーマで寄稿してもらった。

【 雪国アグリ株式会社 課長 鳥山 和浩 】

こんにゃく芋を活用した商品開発

雪国アグリ株式会社は沼田市に会社をおき、群馬県が日本一の生産量であるこんにゃく芋を活用した商品販売や研究開発をおこなっている。現在、こんにゃく原料販売・こんにゃくゼリー販売・研究開発・食品成分抽出・農産物加工販売と事業を展開している。
学生時代に経営学の勉強したことがなく、将来会社の経営を担う際に不安があり、さまざまな経営勉強会に参加してきた。今まで参加した経営塾では節税対策などの勉強をしたことがあり、西河技術経営塾に参加するまでは、出した利益を税金で持っていかれるのはもったいないと感じていた。
西河技術経営塾では、税金をしっかり納税して現金を増やしていくことが会社の成長であり、貸借対照表の自己資本比率を高めて会社の財務体力をつけることが大切だと学んだ。また、他の経営塾と西河技術経営塾の違いは、自社の問題点や今後の展開を分析することが大きな違いである。いくら経営学の勉強をして知識を磨いても自社を見る着眼点を養えなければ経営はできない。また自社を成長させることが地域の成長であることを学べるのも、西河技術経営塾の強みである。
講師の先生方は、塾生の目線に立って、実体験に基づいたアドバイスをすることで生徒は親近感が沸きやすく、勉強しやすい環境を整えてくださる。勉強も楽しくなければ長続きしないし、ビジネスにおいても利益を上げなければ続かない。そのうえで、会社に利益をもたらすために自社を見つめ直す機会を与えることで、成長させるために必要なプロセスを見つけられる塾である。
この塾で学んだことは私の人生のなかで糧となり、今後の経営活動に活かしていく。

雪国アグリ株式会社 課長 鳥山 和浩

【 小坂建設株式会社 取締役 水出 修 】

更なる強みの構築に全社で取組む

弊社は土木工事の管理及び施工を主に行っている。技術経営を研修で学ぶまでは各施工現場での施工面の事しか考えてこなかった。会計数値の見方や、人・モノ・金・情報・時間の動きを考えることを学び、自社の経営状態を深く考えるようになった。市場戦略として、顧客に選んでいただくには、競合他社との明確な差をつけなければ小坂建設を選ぶ理由が無い。自社の強みは何かだけでなく、目標とする他社の業務内容、経営状況等の調査も行い、小坂建設には何が足りないのか、何をもっと伸ばしていけば顧客に選んでいただけるのかを経営陣だけでなく、全社員一丸となって取り組む必要があることを学んだ。
売上を伸ばしていくためには、競合他社との明確な差をつけるべく、更なる強みの構築を全社をあげて目指して行かなければならない。小坂建設が未来へ歩んでいくためには、常に高い目標を持ち続けることが重要であると学んだ。これからも様々なことに考えを巡らせ、知識を得ていかなければならない。

小坂建設株式会社 取締役 水出 修

【 尾瀬パークホテル ディレクター 六本木 勇治 】

受講の度に発見があり未来がある

弊社は日本の自然保護活動発祥の地「尾瀬」の最大の登山口地域である群馬県利根郡片品村にあり自然体験のベースキャンプとして体験宿泊施設の運営をしている。
塾の中で「経営学は未来学」であることを教えていただいた。従業員と共に希望ある未来に向かうためは、経営者は闇雲の中で進むべきではないことを理解した。
無限にある情報から自社の経営に必要な情報を選び、融合させ推進力に変えていくには、まず会社の成り立ちや特徴を整理し、経営状況(BS・PL)を把握し、戦略を立て、中長期計画を描き地道に実行していくことが大切だと学んだ。その気付きで永遠に埋まらないと感じていた社内の意識の谷に橋が架かった。
コロナ禍における厳しい社会情勢の中で弊社のサービスを進化させ、顧客を獲得していくには「ハード」「ソフト」「地域資源」の視点をもつエンジニアリング・ブランド戦略の立案、構築が必要だと考えている。塾と並行して行ってきた準備も一つ一つ整ってきている。地域や社会に求められ続ける事業を目指し、後は描いた未来に向かって進むのみ。
週に一度の講義を受講するたびに発見があり、発見の数だけ改善がある。その発見から知る改善点は決してネガティブな悩みではなく、未来を切り開く希望になる。

尾瀬パークホテル ディレクター 六本木 勇治

【 オリエント 取締役 前田 昌克 】

目標を共有しワンチームで邁進

企業理念は、企業運営上の要となる部分であり、技術経営戦略の原点であることを学び、その重要性を再認識した。理念の内容をかみ砕いて理解し、全社員で共有しなければ意味をなさない。
中長期計画を具体的に数字で表し、シミュレーションすることで経営の3要素である人、モノ、金をどのタイミングで投入し、準備すれば良いのか、イメージ出来るようになった。中長期計画は状況に応じて都度見直すことがポイントであり、PDCAサイクルを上手に回していきたい。『経営は未来学』であり、未来は計画的に作り上げるものである。
損益計算書と貸借対照表を理解し、会社が今どの様な状態なのか把握しなければならない。財務諸表の一つ一つの項目が何を意味しているのか、その数字が表している背景を読み解く解読力を養わなければならない。売上の状況に応じて損益分岐点を管理し、コントロールをする。プロフィット(利益)を大きく保つには、稼働率・可動率・生産性を分析し、機会損失を防ぎ、常に最適化して固定費を落とす必要がある。
入門講座を受講し「技術」「経営」を整理出来た。目標の必達は一人では出来ない。社員全員と目標を共有し、ベクトルを合わせ、ワンチームとなって邁進したい。

オリエント 取締役 前田 昌克

【 吉祥寺 副住職 村上 俊英 】

寺院経営の長期計画に気づく

寺院経営をビジネスモデルとして考え、寺業計画を考え、戦略を練りブランド構築を進めていく事で描いた未来を現実にしていく。西河塾に入塾して未来を語るだけではなく文章にし、そして数字にする重要性を学んだ。
貸借対照表・損益計算書等の理解はまだ十分とはいいがたいが、日々のお金の流れだけではなく月単位・年単位での把握の重要性を理解するとともに、どう生かせるかを学ぶことができた。
また、寺院の未来を切り開いていく為には、30年以上の長期計画が必要であることにも気づかされた。ブランド構築も細分化し文書化したことで鮮明になった部分と長期的にはぼんやりとではあるが変わっていく部分もあるのかもしれないと考えながら、まだまだやることはあると感じさせていただいた。
寺院を中心にした地域づくりを実行するために、技術経営の基本として「ヒト、モノ、カネ」に裏打ちされた長期計画を実行していく武器をいただいた。

吉祥寺 副住職 村上 俊英

【 ヒロ工業株式会社 代表取締役 土谷 裕樹 】

取付職人から経営者になる

弊社は排煙窓に付属する装置の取り付けを、関東一円を作業エリアとして仕事をしている。個人事業主で入塾して「経営者ではなくただの取付職人」と言われ、今でも刺激になっている。
塾に入り、6月1日に会社の設立ができ企業理念やエンジニアリング・ブランドの大切さを学び、日々仕事に取り入れて実践している。会社のマークを作り、制服を全員統一にしたことにより、仕事先でも覚えて頂ける機会も徐々に増えてきた。
待つだけの営業だけではなく知り合いを通じてでもアポをとる。日々動き、ビジネスチャンスを掴んで行く。仕事が増えることで従業員の確保が必要になる。今でも不安は多々あるが講師の先生方の言葉を思い出し、これからも未来にむかっていけるような会社作りをするためにも「知識と機動力を活かし、オンリーワンのサービスを」実践していく。そして取付職人から経営者に一歩づつ進んでいきたい。経営塾では、実践にいかせる学びが出来たと思う。

ヒロ工業株式会社 代表取締役 土谷 裕樹

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