連載:中東 アラブのお話し

(2014.7.15)

(第1回) 砂漠でゴルフ

-フェアウェーのボールは人口芝に乗せてプレー-

研究員 淺野 昌宏

英国人の行く所には必ずゴルフコースがあるが、砂漠の国でも例外でない。1982年から3年間アラブ首長国連邦・アブダビに駐在当時はアブダビ・ゴルフクラブ(1968年設立、メンバー230名)に所属し、クラブライフを楽しんだ。

緑の人工芝をぶら下げて

砂の上にコースをレイアウトし、ラフとフェアウエーの境には緑の杭を打つ。フェアウエーのボールは30㎝角の人工芝に乗せてプレーする。ラフは砂を大きな鉄の爪で掻いて畑の尾根の様にしてある。水色の杭はウオーターハザードで、池を想像しながらプレーする。
バンカーは海砂を入れて前方に1m位の山を作る。グリーンは、相撲の土俵の3~4倍のものを作り、重油を混ぜた砂を乾燥させて薄く敷く。丁度、高麗芝くらいのスピードになる。ホールアウトの際には大きな箒で掃いて降りる。芝目はないが、帚目は読む必要がある。コースのレイアウトを時々変えて、セントアンドリュースのR&Aに登録しコースレートを取得していた。

パッティング、グリーンは重油を混ぜた砂を乾燥させて薄く敷いてつくる。

原油タンクの間を白球が飛ぶ

近隣のゴルフクラブとも交流があり、ダス-アイランド・ゴルフクラブとは一年に1回対抗戦をやりました。ダス-アイランドは2.4×1.2㎞のアブダビの沖合い160㎞にある島で海底から採掘した原油の一次集荷基地です。3千人が働いていますが女性は1人もいない男の天国です。
同クラブは1947年の設立で、クラブハウスは伝統的な英国式のバブのある素敵な建物でした。20基ほどある原油貯蔵タンクの間を縫って9ホール作ってあります。ティーグラウンドは2ヶ所あり、アウトとインで使い分けて18ホールズとします。海越えのショートホールもあり、ペブルビーチ・ゴルフリンクスの醍醐味も味わえました。

今は芝生のコースを楽しめる

これは、私の駐在していた頃の話ですが、さすがにお金のある産油国らしく1988年に中東初の緑の芝生のゴルフ場「エミレーツ・ゴルフクラブ」が開場しました。
現在では、アブダビに5コース、ドバイに5コースありヨーロッパオープンやデザートクラッシクも開催されています。未だ、アラブ人のゴルファーは活躍していませんがその内にアラビヤ語のプレーヤーも出てくるのではないでしょうか。

砂漠のティーグランドで、 「ナイスショット」 。

ページのトップへ戻る