連載:Africa
(2014.4.15)
(第5回) さまざまな生き方を学ぶ
-ケニアのサファリツアー-
研究員 淺野 昌宏
飛行機が着陸態勢に入ると眼下にシマウマやインパラの姿が見えてくる。ケニアの表玄関ナイロビのジョモ・ケニアッタ国際空港。空港の西に隣接して一一四平方キロメートルのナイロビ国立公園があり、群れて動くキリンやシマウマ、インパラはもちろん、ライオンやチーターもいる。
サバンナのビッグファイブ
ケニアには22ヶ所のナショナルパーク(国立公園)とナショナルリザーブ(国立保護区)がある。一番大きなものは四国と同じ面積がある。国立公園と国立保護区の違いは、決められた道路を走るのが前者であり、後者はオフロードカーで好きな所を走れると言えば判り易いと思う。しかし、いずれの場合もガイドがいないと何処にお目当ての動物がいるのか判らない。動物園ではないので我々が動物のいる所を探すことになる。特に後者の場合は、ガイド無しではまず大物には出会えない。
普通は運転手がガイドとなり、天井が開くサファリカーで出かける。
大物とはビッグファイブと呼ばれるゾウ、ライオン、サイ、バッファロー、ヒョウの事だ。それぞれが自分の棲みかを持っておりガイドは何が何処に住んでいるかを知っている。
様子見のライオン
サファリツアーは朝日とともに
このエリア内にはコロニアル風のコテージや近代的で眺望の良い(動物を見る為に)ホテルなど、とても快適な施設があり、私達を迎えてくる。
サバンナの朝は動物たちの食事の時間である。日の昇る前に起きて、日の出と共にサファリカーで出かける。ゾウの群れが草を食べながら行進して行く。また、夜間に行動する動物もいる。そんな動物がロッジに近づいてくると係員が夜中でも起してくれる。
サバンナで人生観が変わる
私の駐在したケニアでの四年間に、日本から来たお客さんをよくサファリに連れ出した。そして、サバンナの中で、さまざまな動物、鳥、昆虫など野生の生きざまを見てもらう。そうすると実に多様な生き方がある事を身近で体験できる。そして例外なく「自分はこのサファリで人生観が変わった。これからの人生を考え直そう」と言って帰る。しかし、その人達は、東京に帰った途端に例外なく元に戻ってしまう。皆さんも都会を抜け出して、サファリツアーは如何ですか。