Earnest:連載

連載:アメリカ経済史に学ぶ

経営者は当然、経済の動きに敏感にならざるを得ない。経済政策が景気を決めている部分は大きいからだ。連日話題になっている、アメリカのトランプ大統領の打ち出す政策の多くは、アメリカの景気に関する施策である。ヒトやモノ、カネの移動を規定する移民政策や貿易交渉の動向は、日本経済とも密接にかかわってくる。
日本で話題になっているのは、「アベノミクスの三本の矢」の経済政策である。2%のインフレターゲットは、いろいろ手を打っても実現していない。実質所得が伸びていないことや、少子高齢化が進行しはじめたことなどで、政策を打ってもインフレにならない以前に消費が伸びていない。
経営者は、以上のような背景の中で経済の動向を予測し、理解して経営に取り組まなければならない。経営者は3年とか、5年先を読んで、事業方針を固め、市場を創生し、人財を育成し、社運をかけて投資しなければならない。従って、経済を学び理解することは重要である。
アメリカ経済史の研究に取り組む敬愛大学の下斗米秀之専任講師に、今回の連載を依頼した。20世紀以降、資本主義経済を牽引してきたアメリカの経済史を理解することで、経済政策と絡めて社会の変化を読めるようになる。下斗米氏には、アメリカの経済政策の変容を紐解きながら、最近の経済動向などを含めて解説してもらう。

筆者:下斗米 秀之(しもとまい ひでゆき) プロフィール

(第1回) 排外主義で国を豊かにできるか (2017.7.15)
(第2回) 「問題大国」の光と影  (2017.10.15)
(第3回) アメリカの「危機」と科学技術政策 (2018.1.15)
(第4回) 移民をどのように評価すべきか (2018.4.15)
(第5回) スポーツ大国アメリカ (2018.7.15)
(第6回) ロックフェラー・アーカイブス・センターを訪ねて (2018.10.15)
(第7回) GAFAの行く末を考える (2019.1.17)
(第8回) 米国の職人社会が教えてくれること (2019.4.14)
(第9回) 科学大国アメリカの「科学不信」 (2019.7.15)
(第10回) 中間層を救う戦い (2019.10.25)
(第11回) 外国人労働者から選ばれる国に (2020.1.16)
(第12回) 戦後最大の危機 (2020.4.15)
(第13回) BLM運動と社会的弱者の再生産 (2020.7.27)
(第14回) 米中対立の行方 (2020.10.20)
(第15回) バイデン新政権の船出とその課題 (2021.1.20)
(第16回) 「危機の時代」の指導者像 (2021.4.20)
(第17回) COVID-19が浮き彫りにしたグローバル・サプライチェーンのリスク (2021.7.31)
(第18回) ノーベル賞と「頭脳流出」 (2021.10.31)
(第19回) 新たなフロンティア (2022.2.28)
(第20回) ウクライナ戦争を考える (2022.5.10)
(第21回) クリーン・エネルギーへの転換は円滑に進むのか? (2022.9.30)
(第22回) 起こらなかった「レッドウェーブ」 (2023.1.31)
(第23回) 人口減少社会の行方を考える (2023.4.30)
(第24回) 教育投資は格差の固定を止めるか (2023.7.31)
(第25回) 労働市場における男女の格差ーゴールディンに学ぶ (2023.11.30)
(第26回) 分断国家アメリカの「新しい階級闘争」 (2024.2.29)
(第27回) 高齢化社会が直面する課題            (2024.5.31)
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