西河技術経営塾 実践経営スクール・基礎コース 3期生

報告2 明日使える実践力を鍛える

生きた経営学を講師と学ぶ

回転率重視、事業サイクルの最小化

西河洋一塾長

西河洋一塾長

『経営』というテーマで講演する西河洋一塾長

2015年10月21日の演習(7回)で西河洋一塾長は『経営』と題する講演をした。2000年1月18日伏見建設(株)代表取締役に就任してから2013年11月1日飯田グループホールディングス(株)代表取締役社長就任までの経営経験の一部を紹介した。
伏見建設に入社時の社員が自分を入れて9名。支払手形の支払いのために奔走。翌年代表取締役になり、会社の帳簿を検証したら、債務超過である現状を認識した。第3者割り当て10億7千6百万円を行い、資本増加により債務超過を解消。その7割を個人で引き受けた。債務を解消するには株式上場するしかない事を悟る。
株式上場による資本調達。土地仕入れ資金の調達、自己借入れの返済。安定した利益を生むビジネスモデルの構築に取り組んだ。
規模の拡大により仕入れ価格を下げる。限られた資金を最大限に活用する。事業サイクルの最小化。利益率より回転率重視。質素倹約、自己資本をできるだけ早く高める。
企業体力の強化に取り組んだなど。社是、社訓等や「本気」(図1)などの紹介があった。

図1伏見建設

図1 伏見建設(現アーネストワン)時代からのもの

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講義から:戦術を理解し計画を立てて戦略

『中長期計画を作成する』と題する講演(13回)の中で講師の小平和一朗は、企業理念、経営ビジョン、事業目標を明確にしたうえで、事業計画を立案しなければならない。
中長期計画は、未来に向かって準備するための計画である。準備に時間が掛る、人財の育成、研究開発、設備投資などは時間を掛けて取り組むことが必要である。
その上で、図2のごとく、戦力を把握し、戦術を確認して戦略をつくらなければ出鱈目となる。戦略だけが独り歩きしてしまっては組織は崩壊する。 

図2 経営の5要素と会計数値

図2 企業理念、経営ビジョン、事業目標の役割

【講師のコメント】

経営学は生もの、新鮮情報で仕事

小平和一朗講師

塾は3期目に入り、西河経営塾の強みにも磨きがかかってきました。当塾の最大の特長は講師全員が全講義を聴講し、塾生と一緒に意見交換をしていることです。経営学は複合学です。専門外の情報や多様な意見が必要となりますので情報の融合が求められます。
演習では、塾生が今取り組んでいる経営課題を教材にします。
塾生は塾で学んだことを会社にお土産として持って帰ってもらいます。生きた新鮮な知識を会社で直ぐに使うことが出来ます。

小泉厚子代表と小平講師

女性に安心を売る「あつまる不動産」の小泉厚子代表(右)
司会をする小平講師(左)

広い視点で俯瞰的に見る目を養う

淺野昌宏講師

市場のグローバル化は、政治的・経済的要因に加えてIT技術の発展と普及により急速に進み、地球儀を睨みながらの戦略が不可欠となって来ています。
この観点より、塾生には広い視点で俯瞰的に見る目を養って欲しいので「海外市場と貿易取引」「プロジェクトマネジメント」「M&A、知的財産」「リスクマネージメントと失敗学」の講義ではしっかりと学んで欲しいと考えています。

淺野講師

「グローバル時代、地球儀を睨みながらの
戦略づくりを教える」と語る淺野講師(中央)

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モノづくりの基本を教える

杉本晴重講師

西河塾についての特徴:

多彩な経営経験者による実務重視の講義と、受講生の実業をケースとした演習と議論を通して実践的人材育成を目指しています。

講師と心掛けている事:

モノづくりを通してビジネスの基本を教え、知識習得だけでなく自分で徹底して考え果敢に行動することを指導したいと考えています。

今後の課題:

塾終了後の受講生へのフォローアップあるいはステップアップ方法などがあります。

杉本講師

「実務重視の講義と塾生の実業をケースに
した演習で人財育成」と語る杉本講師。

皆さんと一緒になって考えたい

前田光幸講師

企業の成長にとって技術力、戦略力、経営的手法の巧拙という三つの要素が重要であることは間違いありません。しかし、それらはむしろ表に出ている結果であって、それを生む内在的な力というものは、組織集団の、あるいは個々人の「意識」の要素が大きいと考えています。
ビジネススクールでは三つを学ぶことはできますが、日本企業として「意識」をどう位置づけ、それを活性化するかについては議論できません。米国型企業をベースにしているからです。
実際、企業の成長、停滞、衰退を左右するものは上記の三つではなく「意識」であり「企業文化」であり「行動規範」などのいわゆる社風、気風ではないでしょうか。それをどのように作り上げるか?

前田講師

「企業の成長を左右するのは、意識、企業
文化、行動規範だ」と講義する前田講師。

世間で立派に通用する経営者

大橋克已講師

西河技術経営塾は経営を学ぶ塾」なのです。大学や専門学校で学び卒業すると学士や○○師・士の資格を得る事が出来、社会通念上その分野において「立派に」仕事ができる資格を持つ人と評価されます。
しかし、塾で一緒に学ぶ目的は経営師や経営士を目指すものではありません。世間で立派に通用する経営者になることです。みなさん自身が世間で通用する経営者になろうとする意欲があるかどうかです。講師はみなさんが経営の技に気付くためのサポーターにしかすぎないと考えています。

大橋講師

「経営者になろうとする意欲が重要」
と話す大橋講師

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