西河技術経営塾 実践経営スクール・基礎コース 5期生

報告4 第5期生 修了式

西河技術経営学を学ぶ

西河技術経営塾は、実践的な技術経営を教え、経営人財の育成に取り組む。5月30日、西河技術経営学を学んだ5期生4名が修了した。今期は、2名が親の事業を引き継いだ事業承継人財であった。
塾では、32回の受講の中で研究報告書を書き、経営者として、修了レベルにあるかの確認をしている。塾生は、塾で学んだ経営に対する知識を文字化し、レビューを受けることで、塾生の技術経営学に関する知識の検証ができる。その過程を通じて、知識体系が形成され、飛躍的に理解が進む。
5期生が書いた研究報告書の概要を紹介する。

集合写真

西河技術経営塾5期生、前列左から、小貫智太郎、小坂哲平、西河洋一塾長、古谷規剛、牛坂光。
後列左から、講師の杉本晴重、大橋克已、小平和一朗、淺野昌宏、前田光幸。
西河塾長は5期生に「短期間ではあったが、経営を理解していただけたと思う。経営者は、社員でもなく、
職人でもなく、作業をする人間でもない。大事なのはトップとしてビジネスの仕組みや、儲けの仕組みを
頭を使って、どうやったら良くなるかを考えて欲しい。売上を10倍にする話をした。時間が掛かっても10
倍を達成し、塾生の皆さんが報告に来て、今度はご馳走してくることを楽しみにしている」と語った。

【小坂 哲平 塾生:修了式での研究ノートの報告】

年商5億円の壁を超える方法論

小坂建設(株)(群馬・沼田)は、創業64年の土木工事をメインに事業を展開している会社である。2年前に年商3億円の壁を超えた。そして年商5億円の壁を一気に越えようと前期は、奮闘したが、売上高は微増に留まる。今期は塾で学んだことを活かし、年商5億円の壁を一気に越えられる見込み。

発想を転換し、仕事をこなす

いままで強力な現場力を持つがゆえに、一般的な営業は行わなかった。仕事量に限界を定め、それ以上の仕事をとらなかった。
営業力を高めて仕事が取れれば工夫し、発想を転換し、十分に現場を管理し、施工できる力量を持つ。しかし、自社で施工しないと品質が下がるとか、顧客の信用が得られないなどと考えていた。塾で学び、この発想を転換した。

ブランド「躍動する現場力」

仕事量を倍にするには、自社の強みを知ることが重要だ。講師から「自社の強みは、顧客に直接聞けば良い」と聞き、メールでアンケートをとった。顧客は親切に対応してくれ、共通した自社の強みを教えてくれた。「技術力がありどんなに忙しくても困ったら対応してくれる機動力と顧客の要望を一生懸命応えようと努力する人柄だ」ということで一致していた。
顧客情報を得て『躍動する現場力』というエンジニアリング・ブランドの構築に取組む。社用車に社名とキャッチコピーを入れた。すると社員の安全運転に対する意識が向上するとともに、まめに洗車をしてくれるようになった。
顧客の期待に誠実に、精一杯応えようとしてくれることで、仕事の量と質が向上した。徐々にではあるが単価の高い仕事も獲得できるようになってきた。

小坂哲平

ブランド構築で社員の心が変わったと語る、
小坂建設社長の小坂哲平。

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【古谷 規剛 塾生:修了式での研究ノートの報告】

サラリーマン大工への挑戦

(株)アーネストウイングは、家造り日本一の職人集団を目指す社員大工の会社である。
現在の建築業界は、多くの場合ハウスメーカーから一人親方が仕事を請け負う形で仕事の関係が成立している。この一人親方の弊害として、後継者が育たないことがある。後継者がいないまま、大工の高齢化が進んでいる。
原因として、一人親方の不安定さから、若者が大工になることを敬遠している。雇う側も競争の激化で工事単価が圧縮され、後継者を育てる余裕がない。さらには弟子入りしても世の中の仕事の多様性から、徒弟制度に耐えられる若者が少なくなった。大工職人は、不足している。

ウイング大工というブランド

高校卒業の素人を独自の研修システムで2年間で大工に育成。能力を評価する給与査定システムで優秀な社員大工『ウイング大工』を育成。アーネストワンの子会社のウイング大工は、給料が保障されるとともに仕事が切れない。

管理することで人財を育成した

やった分だけボーナスに反映される仕組みは、創業当初から取り組んだ。しかし、その仕組みを社員に理解させていなかった。そのため、仕事をいくらやっても無駄という声が聞こえてきた。この仕組みを誰でもわかるよう社員に理解させ、途中経過も公表することで信頼を得た。
これまでボーナス時にのみ公表していた査定を、毎月、本人に伝える仕組みとした。また競争心を持って仕事してもらうために、売上ランキングを毎月全社員に匿名で公表した。これが大きな成果を生み、定着率が改善した。

古谷規剛

『ウイング大工』を育てる
(株)アーネストウイング゙取締役の古谷規剛

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【小貫 智太郎 塾生:修了式での研究ノートの報告】

従業員を幸福にする会社を創る

本年4月1日、群馬セラミックス㈱の代表取締役に就任した。弊社は、今期で33期目となる。入塾の目的は「経営とは何か」を習得するためである。会社を成長させるにはどうするのか。塾で学び、数値目標を掲げ、自社の分析をした。見えた課題は人財の育成。

セラミックス加工技術に誇り

お客様は神様というが、従業員あっての会社である。働いている人がやりがいを持てなくては良い仕事ができない。良い仕事ができなければ顧客を失う。全従業員がセラミックス加工技術に誇りを持てる会社を作り上げたいと思う。

自社を磨き課題を認識し改善

5年後の会社の姿を描く。顧客の増加と生産量の増加。人財がそれぞれ役割と責任を全うできる組織をつくる。トップを支えるリーダーが必要である。
3人を抜擢してリーダー育成を始めた。抜擢した3人に、生産技術的なスキルを習得させ、管理者側へとシフト。彼等に委譲し、組織の強化に取り組んだ。

自社を愛し従業員を幸福にする

加工したセラミックス部品は顧客が製品に組込み市場に出す。加工時とは異なる姿となり、どの製品に入っているか従業員に分からない。顧客から最終製品情報を聞くことで今まで見えなかった製品の形が見えてきた。世の中を豊かにしていることが理解でき、自社の技術に自信を持ち、仕事にやりがいを持たせることができた。

セラミックス加工のブランド化

セラミックス加工は、他社にできない。従業員はそれを誇りにして、それをエンジニアリング・ブランドにする。自社の技術に自信と誇りを持つことがやりがいとなり、新たな発展へと繋がる。
従業員を幸福にしつつ、自社を愛する人たちに支えられて事業の拡大を図る。
自社を理解し、事業を拡大させる計画と戦略を練った。優れた人財を育成し、会社を大きくする。

小貫智太郎

自社の技術に誇り、
群馬セラミックス社長の小貫智太郎

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【牛坂 光 塾生:修了式での研究ノートの報告】

消耗戦と市場淘汰、持続的発展

イーレックス(株)の営業部営業企画課長として勤務している。塾に参加し、技術経営の基礎から応用にかけて、幅広く、多角的に学び強みづくりを理解できだ。
自社の強みと弱みを分析することで、価格競争が継続する中、当社の強みと言えるものは何か、それが競争環境で通用するものかを考察し、理解できた。弊社の強みは燃料調達、発電、電力調達、需給監視、販売と一貫した体制を持っていることである。

ブランドを構築し、差別化

価格ではない強みが、弊社が抱える課題解決に繋がると、認識できた。学んだ企業アイデンティティ、企業ブランド、サービス・イノベーションがそれに該当する。
企業ブランドの構築に欠かせない企業アイデンティティ、企業文化を構築し、特性や独自性を統一させたイメージ、また分かりやすいメッセージを社会に発信・共有することで存在価値を高めた。

ホスピタリティでサービス創生

電力業界、安定的に電力供給をしていればサービスが成り立っていた。自由化では差別化要因ではない。価格の低下は魅力であるがいずれ限界を迎える。差別化要素はホスピタリティとサービス。
ホスピタリティを持ってお客様の声に傾聴することで、新たなサービスが誕生した。
他社との差別化に都市ガス小売りへの参入がある。このセット販売、海外では通例となっている。

牛坂光

都市ガス参入を企画した、
イーレックス(株)営業企画課長の牛坂光

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