西河技術経営塾 実践経営スクール・基礎コース 3期生
報告3 個別指導で実践力を向上
全講師が原則毎回参加し、塾生と一緒になって
講義を聞き、演習に取り組み、意見交換をする。
塾の講座は、学習講座(座学)90分と演習90分で構成されている。
演習を司会している小平和一朗専務理事(左)、演習で発表している渋谷加津美塾生(右)。
技術経営人財育成事業
西河技術経営塾実践経営スクール・基礎コースは、若手経営者向けに基本的な経営の基礎知識の修得と創生力の鍛錬を行う技術経営に関するビジネススクールである。
中小企業の経営者の中には、若くして社長や経営の幹部として活躍されている方も多くいる。社長に就任したものの色々な事情で時間を掛けて実践的な経営経験をすることが出来なかったり、ビジネススクールに行くにしても、適当な実践型の技術経営人財育成の場が無いなどで困っている方がいる。
技術経営者の育成といっても技術者だけを対象にしたビジネススクールではなく、技術者をいかに使うか、いかにマネジメントするかを学ぶ。
仕事をしながら経営を学びたい
モノづくりの現場で豊富な経営経験や技術経営研究に従事してきた講師陣とともに、現在抱えているビジネス課題を塾生とともに解決しながら学習する、実践的なトレーニングを盛り込んだビジネススクールである。
「基礎コース」の開講をしたのは、若手経営者から「仕事をしながら経営を学びたい」という要望からだ。日本の経営環境で、社会のビジネスリーダーとしての経営実践力を学ぶ。
経営学は複合学、それを浅く広く、機能的に連携させながら短期間に総合力を高める学習の場と、創造力鍛錬の場を提供する。現在、第3期生5名が平成27年9月から受講中である。28年5月末に向け研究報告書(論文)の作成中である。
座学と実務を融合させて学ぶ
塾生、経営の実務をしているから、ビジネススクールの5倍程度の情報量を短時間に講義しても消化できているといえる。
マネジメントとリーダーシップ
第26回(4月6日)の学習講座は『マネジメントとリーダーシップ』と題し、小平和一朗が講師を担当した。図1は講義で使用した「ビジネスモデルとマネジメント」と題するプレゼン資料で、会社における主要なマネジメントを図示したものである。ブランド、マーケティング、商品開発・知財管理、販売管理、生産管理(原価管理)などの関係を明示している。
講座は、経営の基本要素の学習・マネジメント・リーダーシップの3つで構成されている。
マネジメントでは組織におけるリーダーの役割、職位に求められる計画立案能力、人の投入、社員が増えると組織化が必要、組織と契約、コミュニケーションの種別、報告の際の8つの要素(5W+3H)、作業権限と報告・連絡・相談等、盛り沢山な内容となっている。
図1 ビジネスモデルとマネジメント
塾生のコメント
創造力を刺激され事業を見直す
塾生 小泉 厚子
高円寺にて女性のための不動産を営んでいる小泉厚子です。
塾で一番記憶に残っているものは、やはり毎週苦労した演習です。生徒・講師が一帯となり意見交換をする事で事業が加速します。外部から意見を聞く事により、違う視点が生まれる演習は毎回目から鱗でした。
また、その後の食事会においても意見交換する事で、入塾前に比べ何百倍もの気づきを得ることができました。
今後の発展に必要不可欠な事を教えて頂けた事、毎回創造力を刺激され事業を見直す機会を頂けたことに大変感謝しています。
あつまる不動産代表の小泉厚子
リアルな向き合い方に触れる
塾生 瀧川 淳
大学卒業から15年弱ベンチャー企業立ち上げの実体験を体系的に見つめ直したい、というのが入塾の動機であった。大学時代のそれに比べて、実学に根ざした塾のカリキュラムでは、顧客や競合企業へのまさにリアルな向き合い方に触れることが出来た。
一つは「理念の浸透〜事業計画の立案・実行」のフローがいかに大事であるか、次には先送りにしていた「知財戦略の検討」が直面すべき課題であったこと、以上の2点を趣旨とする経営課題が浮き彫りになった。
エヴィクサー社長の瀧川淳
目標となる人物に出会えたこと
塾生 上川 晋一郎
会社経営に大切な基礎の重要性を学びました。12年間も会社経営をしてきて、分かっているようで全然分かっていませんでした。想いが強く先行して、今までは基礎をないがしろに突っ走り、会社が頭打ちの状態でした。塾生のカリキュラムは、塾生皆一緒ですが、塾長・講師の先生方は各企業・各個人のレベルに合わせた指導教育していき、アドバイスをしてくれますので、本気で真剣に学び実践した結果、前年度と比べ売上成長率160%以上達成し、会社が確実に成長しています。
そして何よりも一番良かったことは、目標とする人物となる西河塾長に出会えたことです。まだまだ足元にも及びませんが少しでも近づけるよう、学んだことを最大限に活かしていきたいと思います。
DSP社長の上川晋一郎
俯瞰的に学び、視野が広がる
塾生 松井 美樹
経営者として第一線で活躍された講師陣の知見を俯瞰的に学ぶことで、自分の視野が広がったと感じています。特に苦手意識のある会計的な視点や、経験のない製造業での生産活動や海外市場と貿易取引など、こんなことをやっているのか、こんなやり方もあったか、と思うことが多々あります。
短い期間ですが、講義だけでなくその後のお酒を飲みながらの懇親会での情報交換を含め、講師陣の経験知をできる限り吸収して、自分らしい事業運営を模索するとてもいい機会となりました。
ザクティ新規事業開発室の松井美樹
諦めなければ成功する
塾生 渋谷 加津美
事業を必ず成功させる手段など、なかなか身につかないと思っていました。しかし、講義を受け演習を続けることで、諦めさえしなければ成功できるという、なんだか不思議な自信が湧いてきました。
輝かしい実績のある講師の方々から、自分の意見や考え方に対する直接的な指摘や指導を受けることができたからだと大変感謝しています。
また、若い経営者の塾生にも刺激を受け、負けては要られないという想いで学ぶことができました。
懇親会での意見交換も含め、積極的に攻める姿勢を学ぶ大変有意義な時間でした。この経験を今後に活かしたいと思います。
タムラ製作所ブロードコム事業部の渋谷加津美